2019/04/15

喫茶ジェイ コーヒー:200円 / ジンジャーミルク:300円


喫茶ジェイ
コーヒー:200円 / ジンジャーミルク:300円
@鳥栖スタジアム


私は喫茶店が大好きだ。
旅とコーヒーが大好きだった祖父は毎週のように私を連れ出してくれた。そして、小学校四年で西国三十三所巡礼を制覇し死装束「おいずる」を完成させ、九州から北海道まで各駅電車や特急列車を乗り継いで走破した時も何処に行っても朝食と休憩はいつも喫茶店だった。だから、旅の思い出はいつも喫茶店と共にある。

喫茶店にはドトールやスターバックスのようなチェーンカフェには無い居心地の良さ、店主の趣味が強く反映された唯一無二の空間、そして、こだわりがある。
いつもいるマスター。
変わらないコーヒーの香り。
ナポリタンのケチャップが鉄板に焦げた匂い。
その全てが魅力的だった。

そして、ここ鳥栖にも素敵な”喫茶店”がある。
喫茶ジェイさんだ。

コーヒーは注文後に豆を挽き、ドリップで落とす。静かにそそがれるお湯と共に芳ばしい香りが広がる。ジンジャーミルクも鍋でミルクを沸かして作る。ゆっくりと贅沢な時間が流れる。その間は車内のインテリアを楽しむ。狭い車内だがポイントポイントに嗜好が見える。そして、マスターとおしゃべりだ。今日の試合の事、サガン鳥栖のチーム状況の事、話題は尽きない。

基本、全てのオーダーは注文後に作るのだろう。1組あたりの接客時間は長い。人気店なので列も出来る。だから、中々順番が来ない。かなり待たされる。ただ、それを含めてこの店は喫茶ジェイなんだ。

マスターが慌てる事もなければ急かす事もない。オペレーションだけを考えれば完全に非効率。回転も上がらないし、この良心的な値段設定では儲けも少ないだろう。ただ、儲けたいのならやり方を変えている筈だ。それでも変えない。と、いう事は、これが喫茶ジェイなんだ。

ただコーヒーが飲みたいのなら他の店に行けば良い。作り置きのコーヒーを直ぐに渡してくれるだろう。待ち時間を楽しみ、飲むまでの時間を楽しむ。あだち充の名作『H2』で古賀ちゃんも言ってた。
「待ってる時間もデートのうちでしょ。デートの時間は長い方がいいもん。」
と。

今思い出しても悶える。
私は断然、古賀ちゃん派だ。

そして、この店はそういうお店なんだと思う。
だから喫茶ジェイなんだ。

スタジアムでホッと一息。
至福のひとときをもらう場所。
一度行けば必ずハマる喫茶ジェイ。

みんな好きだろうが、私も大好きだ。


そして、肝心の「コーヒー」。
爽やかな香りとすっきりとしたキレ。
あぁぁぁぁぁぁぁ…
吐息が漏れる美味さだ。
これがたったの200円…。
マジかよ…。
安すぎて逆に申し訳なくなるわ…。

そして、個人的に推したいのがジンジャーミルク。優しいミルクの味わいに、体が芯から温まる生姜のスパイス感、バニラシュガーの清涼感がどこまでも気持ちいい。
あぁ、これめっちゃ好き…。
寒い日には特にオススメしたい。


結局、この日私は三回”喫茶ジェイ”に行った。
試合後も営業をしているので、混雑した電車に無理して乗るぐらいならちょっと一息ついてから帰るのもオススメだ。

試合終了後、すぐに美味しいコーヒーが飲めるって、かなりの贅沢よ。






ちなみに、サガン鳥栖カラーの服を着ていれば、対戦相手のサポーターでもマスターがポロっとこぼれ話を漏らしてくれたりする。
ポイントは”上着から少しハミ出る水色の服”だ。


店頭にはサッカー関連の図書が並んでいる。
こういうところも、”喫茶店”らしい。