今年2026年3月、国立競技場内の飲食サービスが全面リニューアル。
その中で個人的に気になっていたもうひとつのお店がこちら。
正直、出店リストの中でこの店の名前を見た時に目を疑った。え?あのĂn Điさん!?外苑前駅近くにある日本を代表すると言っても過言ではないモダンベトナムレストランで、日本の旬の食材にベトナムの風土や発酵の旨みを重ねた現代的で独創的な料理は繊細で優しく、新鮮な感覚を何度も体験できる唯一無二の世界観が楽しめる。私もお仕事のお勉強を兼ねて店舗に行かせて頂いた事があるんだけど、料理の美味しさは勿論、ナチュールワインと日本酒を組み合わせたペアリングにとにかく驚きと発見の連続で度肝を抜かれた事を記憶している。そんなĂn Điさんが国立競技場内で出店した。当たり前だけど、一般庶民がちょっと手軽に…の感覚で楽しめるようなお店ではないし、しっかりとした価値と引き換えにそれなりのお値段を取るお店なので、国立競技場内の売店で一体何を提供するのか?興味津々だった。
●チキンライス:1400円
先ずはこちらから。
鶏肉の旨味を炊き込んだベトナム風チキンライス(コムガー)でとにかくチキンが美味い!しっとりと柔らかく独特の風味のあるチキンが美味すぎる!鶏のゆで汁で炊いたご飯はしっかりとした味わいで、それだけで食べると結構濃い目の味付けだし、付け合わせも単体ではちょっとパッとしない味付けなんだけど、鶏肉やパクチー等と一緒に合わせて食べると一気に洗練された味わいに変わる!一気に化けるんだよね。いやーめちゃくちゃ美味いわ!
これは流石と言わざる得ない。
●ベトナムセット(生春巻き、揚げ春巻き、蒸し鶏):1600円
こちらは前菜系のセットメニュー。
チキンライスと同じチキンの美味さは言わずもがな。揚げ春巻きもちょっと他とは違う独創的な味わいで美味い。ただ、個人的にぶっ刺さったのがエビの生春巻き。定番のレタス、きゅうり、人参の他、オクラ、パイナップル、柴漬けがぎっしりと詰まっている。これがめちゃくちゃに美味い!食材の個性が打ち消し合うことなく、それぞれの味わいの波が列をなして順番に訪れるのよ!んで、このソース何!?よくわからんけどホンマに美味いわ。こんな生春巻きはここでしか食べれないよ。
ただ、スタグルとしての視点で見ると流石にちょっと高い。
これがオシャレで洗練された雰囲気の店内で食べるなら全然いいのよ。厳選されたワインと一緒に楽しむならむしろ安いぐらいだ。でも、ここスタジアムなのよ。せっまい椅子の上(特に国立は狭い)で食べたり、人の行き交うコンコースの僅かなスペースで座って&立って食べるのよ。そこまで人ごみの中を持ち運ぶのよ。その環境ではこの提供方法は明らかに向いていない。あと、いくら独創的で美味くても1600円でこのボリュームの無さはほぼ大多数の人の感想が先ず「え?たったこれだけ?」になると思う。食べる前の感情が圧倒的マイナスからスタートしてしまう。これを挽回して大満足に持っていくのはかなりキツイ。何度も言うけどここスタジアムだからね。いつもとは明らかに違う客層を相手にする意識が足りていない。いつものスタイル&価値観と戦術では戦えないのよ。これ、比較的高級店と言われるお店がスタグルに出店する時にやりがちなミスなのよね。スタグル歴20年を超える私はそういう店が残念ながらひっそりと撤退していく様を何度も見てきた。個人的には Ăn Điさんのような個性的なお店には長く出店を続けて欲しいからこそ、環境に合わせた戦い方をもう少し練ってほしいね。


































