CAFE砂時計
浦和珈琲:400円 / ウィナー珈琲:500円
@埼玉スタジアム2〇〇2
埼玉スタジアムのメインスタンド三階にひっそりと佇む隠れ家的なお店がこちらの「CAFE砂時計」さん。地元浦和で50年近く喫茶店を営むお店で、歴代の監督や選手もこよなく愛する浦和の中の浦和のお店。ミシャが監督時代にはほぼ毎日コーチや選手と訪れていたらしい。
そんなお店が9年前、浦和レッズから直接オファーを受けて埼玉スタジアムに出店。浦和レッズサポーターから絶大な支持を得て、大人気店となっている。
●浦和珈琲:400円
この店の看板コーヒー。
実店舗でも同じ名前の珈琲が販売されているが、そちらは当時いたブラジル選手三人にちなんでブラジル豆を三種類ブレンド、ドイツテイストの焙煎で仕上げたブッフバルト監督本人に直接味見をしてもらい仕上げたもの。スタジアムで販売されているものは願掛けの要素をかなり強く取り入れ、毎回異なるオリジナルブレンドで提供している。
ただ、そのこだわりが尋常ではない。
若い選手が多く入っている時にはフレッシュな味に…、暑い日にはみんな飛び跳ねて有酸素運動をするからエネルギー成分の多い豆を…、絶対に負けられない試合では100%以上の力が出るような成分の豆を…、苦しい展開が予想される試合では後半まで集中力が持続するような成分を…等々、埼玉大学と共同で研究した成分表(この時点でおかしい…笑)を元に対戦相手を分析し、チームを勝たせる為に誰にも伝えることもなく、10年近く勝利の後押しをする為、黙々と毎節毎節違う珈琲を作り続けてきたらしい。しかも、その豆を丁寧に焙煎し、大きなネルでドリップしている。美味いに決まっている。
こんなに手間がかかり、こだわりまくっている珈琲をスタジアムで提供している店は世界中探しても無いだろう。強い信念を感じる。ただ、生きて苦難を乗りこえ信念を突き通し続けると人はイカれちまう。「人が幸せになることは簡単だ…人を辞めてしまえばいい」と誰かが言っていた。この珈琲にはそれに違いものを感じる。ただ、人として跨いではいけない境界の先にあるのは狂気だけ。それはもう魍魎だ。これが浦和PRIDE。浦和の漢なのか?浦和の漢はチームを勝たせる為なら人知れずここまでするのか?
間違いなく言える事は、この珈琲は狂気の珈琲、魍魎だ。
とりあえず、お代わりをくれ…。
この日のブレンドは中立開催という事で、名古屋&セレッソ大阪両方のサポさんの試合前の高ぶる気持ちに応えられるように、集中力アップ成分に特化した4種類の厳選した珈琲豆をブレンド。やっぱり、他の珈琲とは一味も二味も違う。
●ウィナー珈琲:500円
こちらもこの店の看板商品の一つ。
「ウインナー」ではなく「ウイナー(WINNER)」という名前一つとっても強いこだわりを感じる。
勿論、味は言う事無し。
ベースとなる”浦和珈琲”に甘いホイップクリークが加わることで、また新しい世界が広がっていく。これはこれで堪らんよ…。