ヤクルト入り青リンゴオレンジジュースの上にたっぷりの生クリーム。その生クリームにつば九郎のイラストがプリントされた見た目には物凄く可愛らしいドリンクだ。インスタ映えもするし子供は喜ぶ。女子受けもいいだろう。
ただ、実際に飲んでみるとヤバイ。
上に鎮座する生クリーム(本当に生クリームなのかも疑問)の重量感がエグい。完全に重力や質量の法則を無視している。全ての生命が失われた近未来、伝聞とイメージだけで生クリームを作るとこんな感じになるかもしれない。食感はベトベトでドロドロ。口の中でグニャグニャっとしヌメヌメする。重すぎて下のジュースと混ぜようとしても全然混ざらない。多分、天下一品のこってりスープより重い。いや、天下一品のこってりスープなんて可愛いもんだ。あいつは味がするから。こいつは味すらしない。全然甘く無いしべトーっとする。見た目は白いのに心はどんどん黒く染まっていく。私を心を全力で無に帰そうとしている。
唯一の良い所は、むやみやたらにストローに入ってこない点。頑なに拒否する。その頑固さたるや鍋底のコゲや作業服に付いた工業用油も真っ青だ。(ちなみに、頑固な油汚れは重曹を入れた熱湯に浸けると取れる。家政婦のミタゾノで覚えた豆知識ね。)だから、飲み干してもカップには大量のクリームが残る。ただ、そこに手は伸びない。火の通っていないナチュールでソフトな牛脂をそのまま食べる奴なんていないだろう。
とにかく、殺意が凄い。
「美味いものを飲ませてやろう!」という感情を一切感じない。
見た目は可愛いさがその罪を更に重くしている。
ある意味、つば九郎の内面のどす黒い部分を蒸留したらこうなるかもしれない。
控えめに表現してもつば九郎の体脂肪。
これが私の最大限の優しさだ。
このドリンクを美味しく飲むコツ。
それは、ストローを刺し、液体部分だけを吸い上げる事だ。わずかに上がってくるクリームは前歯でブロック。絶対に口の中に侵入を許してはいけない。
選手バージョンもあるが、勿論味は変わらない。