2019/12/06

F-seets パンチうどん風プリン:300円


F-seets
パンチうどん風プリン:300円
@等々力陸上競技場


今シーズン(2019年)限りで、10年以上にわたり等々力陸上競技場のメインスタンドに出店していた「山田うどん」の閉店が決定した(ちなみに、埼玉スタジアム2○○2からの撤退も決まっている)。旧メインスタンド時代から長年フロンターレサポーターの胃袋を支えてきた人気店の撤退だけに寂しさは隠しきれない。この寂しさは、長年在籍した選手の契約満了時に感じる気持ちに通ずるものがある。

昔の等々力陸上競技場は、フロンパークの様なスタジアム前に広がるフードコートもなく(まぁ、そもそも観客が少なかったのだが…)、競技場内の食事事情も貧弱で、「和幸」の限定カツ弁当を奪い合う弱肉強食の時代が長く続いていた。そんな中、安くて美味い「山田うどん」は、サポーターにとって本当に貴重な存在(なぜ埼玉に本店を構え、埼玉を中心に出店している「山田うどん」が等々力に出店していたのかはわからない。等々力七不思議のひとつである)。それは、新メインスタンドが完成してからも変わらず、常に「山田うどん」の前には行列が出来ていた。私も写真は取っていないが、これまで何度お世話になったかわからない。そんな「山田うどん」の名物といえば”パンチ(もつ煮)”。個人的にはあまりこの”パンチ”は好きじゃないんだけど、フロンターレサポーターにはかなり愛された一品だった。

と、いうわけで、この日はホーム最終戦。
長年愛されてきた「山田うどん」への感謝の気持ちを込めたありがとう!!山田うどん!!等々力パンチ祭り!!】が開催される事が決定。山田うどんの名物である”パンチ(もつ煮)”をモチーフにした食べ物を、場内の各飲食売店が販売するらしい。その中で強烈に目を引いたのが、この”パンチうどん風プリン”だ。

うどんをペーストにして混ぜ込んだプリンに、栗のペーストと水飴で細工したもつ風の何かとネギ風の何かを添えた(公式サイトから引用)

という、見た目とコンセプトに長針と短針を全振り。完全に頭のネジがぶっ飛んでいる。

しかし、それにしても完成度が凄い。
パッと見は、どこからどう見ても『もつ煮込みがのったプリン』だ。
まぁ、私はこれまでの人生で「もつ煮がのったプリン」を食べた事も無いし見た事も無いのでこれが正解がどうかはわからないが、頭がおかしい事だけは十分にわかる。”パンチ(もつ煮)”に模して造られた飴細工は、控えめに言って甘い泥。口の中でネチャネチャして、ただただ気持ち悪い。プリンもうどんのペーストを混ぜ込んだ為か舌触りがヌメヌメ。食感も必要以上に重い。よーするに単純に美味しくない。

ただ、この商品は味なんてどうでもいいんだ。
場内に掲示されているポスターにも『とにかく、見た目重視です!!』と、完全に味は度外視している事を断言している。正直に言っているのだから受け止めるしかない。なので、そういう意味ではこの商品は120点満点だ。

こんなユニークは見た目のプリンは見たことが無いし、今後二度と見る事も無いだろう(つーか、実物で再現されたとしても、食べたいとは思わない)。一番のコンセプトである「山田うどん」への感謝とリスペクトの心も存分に表現されている。

ただ、マズい。
めちゃくちゃマズい。
もう二度と食べたくない。

でも、この商品はこれでいいんだ。
これは一つの愛の形なんだ。

今までありがとう!
山田うどん!!

この商品の味の事はすぐにでも忘れたいが、これまでの幾多の思い出と共に、等々力に山田うどんがあった事は一生忘れないだろう。