きのこのSATO
しいたけのバター焼き:500円
@等々力陸上競技場
私は椎茸が大嫌いだ。
大大大大大ッ嫌いだ。
椎茸の菌臭い感じが嫌で仕方ない。八宝菜や鍋など、椎茸が入っていると料理が椎茸臭くなる。個人的にはこれだけでゲンナリしてしまう。
ただ、嫁ちゃんは椎茸が大好きだ。
大大大大大好きだ。
なので、いつも料理に「椎茸を入れるか?入れないか?」論争が勃発する。もう、何度言い争ったか解らない位毎回揉める。我が家で唯一の揉め事と言ってもイイ。この日も、嫁ちゃんは大好物の椎茸を見つけ、一目散に並び出した。私が食べれない事を知っていて購入しようとしている。完全に一人で楽しむつもりだ。本当に意地の悪い女だぜ。
だから、私もお金は出さない。
基本、スタグルは毎回、ほぼ私が全額支払っているが今回は出さない。性根の腐った女にはお仕置きが必要だ。
と、いうわけで、嫁ちゃんが長蛇の列に並んでいる間に何品かを一人だけで楽しむ。精神的なイジメを受けたのでそれぐらいは許されてしかるべきだろう。
そして、20分後、忌まわしき大量の椎茸を片手に戻ってきた。満面の笑みを浮かべながら、椎茸に欲情してやがる。ホントふしだらな女だぜ。
『ちょー美味しいYO!
やばいYO!やばいYO!』
椎茸を食べて興奮する嫁ちゃん。尻の軽い女だ。ヤバい以外のボキャブラリーはないのか?お前はダチョウ倶楽部か?
『YOUも食べればいいじゃん!』
私が椎茸の事が大嫌いな事を知ってて、そんな事を言ってくる。勿論、顔には薄ら笑い。目は完全に俺を見下している。品の無い下卑んな女だ。マウントが取れて嬉しいか?
ただ、ここである事に気づく。
あれ?椎茸のあの菌臭い匂いがあんまりしないなぁ…。つーか、これ、逆にちょっと美味そうな匂いしてね!?
これなら私でも食えるかもしれない…。この女は絶対に私が椎茸を食べないと思って油断してるよな?だったら、自分が独り占め出来ているという思い上がりをお前が予想もしていない瞬発力で粉砕してやるぜ。ざまぁみろ!ハハハァっ!!
と、いうわけで、予備動作も無く椎茸を口に放り込む。驚く嫁ちゃん。ただ、それ以上に驚く私。
ナニコレ、メッチクチャウマいやん…え!?マジナニコレ!??ヤバいヤバい!!ヤバい以外の言葉が出てこねぇー!!超うめーよ!美味すぎる!!こんなに美味い椎茸初めて食ったぜ!!!
肉厚な椎茸の食感、つるんとした口当たり、そして、広がる風味。味付けが塩&コショウ&バターだけというのも最高だ。この椎茸にはこれ以外の味は蛇足でしかない。
あー、もう止まんねーぜ!
次々に口に放り込まれる椎茸。気が付けば、私が器を持っている。嫁ちゃんは不機嫌な顔をしながらブツクサいってるが知ったこっちゃない。今や主導権は私にあるのだ。嫁ちゃんよ、お前はそこでアホ面晒して突っ立ってな!結局、私が半分以上を食べ完食した。
「ほら、椎茸美味しいでしYO~!??」
何故か満足気の嫁ちゃん。
うるさい、お前の手柄じゃない!
この椎茸が美味すぎるんだ!!
この椎茸が素晴らしいだけだ!
最高だよ!きのこのSATO!!是非、毎節等々力に出店してほしいYO!いや、川崎フロンターレはDAZNマネーを使ってでも招致に動くべきだYO!川崎フロンターレの名物スタグルにすべきだYO!スタジアムグルメにも堅実な補強を頼むYO!フロンターレスタッフ!!
と、うちの愛妻が申しております。
スタッフ様、どうにかなりませんでしょうか?…
このボリュームでたった500円。何気にこれが一番凄い。